グリーンジョブの普及拡大と職業選択による持続可能な社会の実現には人材マッチングだけではその影響は限定的です。私たちは、バックキャスティングで次世代に向けた取り組みを検討し、企業や大学、学会など多様な組織が枠組みを超えて共鳴することでシナジーを生み、それぞれの知見や想いを集結させ、新たな時代に対応する「サステナビリティ人材」の開発と育成を目指しています。2018年には、一般社団法人サステイナビリティ人材開発機構（Sus-Pro）を設立いたしましたが、2024年7月をもって、その役割をグレイスに集約することにいたしました。
私たちは、人材育成・キャリア開発支援事業を核として、持続可能な社会の実現に貢献する「サステナビリティ人材（サステナ人材®）」を創出するため、グレイスの顧客企業、環境・サステナビリティ学を指導する全国の大学教員、環境関連を中心とした専門学会、さらにはこれまでにグレイスが就業支援を行った専門人材と提携して、グリーンジョブの理解や興味関心を醸成させるためのセミナーや、就活イベント、専門家による個別キャリア相談会など、様々なプロジェクトを提供しています。受講生は大学生を中心に直近3年間で2,000名を越えます。
この人材育成プロジェクトを実施することで、若い世代にグリーンジョブへの関心が高まることはもちろん、参加した学生にとって不確実性の時代に臨むキャリア観の醸成や職業選択の参考となるよう、大学サイドとも情報交換を行い、学生の関心やアンケートの振り返りなど企画内容のブラッシュアップに努めています。この人材育成モデルは2020年度エコプロアワードにおいて、グレイス・Sus-Pro連名で環境大臣賞を受賞いたしました。
国際労働機関や国連環境計画の報告では、2030年にはグリーンジョブで一億人を越える雇用が創出される可能性が示唆される一方で、環境・エネルギー領域を中心に、課題に対応できる人材が圧倒的に不足しています。既存の業界や業務経験者に限らず、異業種人材の参加を促進することもグリーンジョブによる社会の変革の実現には大変重要です。私たちは志と課題意識を同じくする業界有識者と連携して、異業種人材に対し、これまでの経験を活かしたグリーンジョブへの就業イメージの醸成を図る社会人向けキャリア支援企画「グリーンジョブセミナー」も開催しています。
その他にも、地方の人材会社や公益団体と提携し、地方創生とSDGsをテーマにした採用イベントや企業向けセミナーの開催、サステナビリティやGXに関わる個人のキャリア教育情報の発信など、さらに活動の幅を広げています。株式会社グレイスは、これからの時代に選ばれる企業、選ぶことのできる人材が増えていく、職業選択による持続可能な社会の実現に貢献できる仕組みとサービスを有する国内唯一の人材会社であると自負しております。