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エデュケーション事業

グレイスのCSR講座
 

 

参加型ワークショップ 2007年度版 CSR報告書作成ポイント講座 日時:2007年3月15日(木) 10:00〜17:00

2007年度版 CSR報告書作成ポイント講座は終了いたしました。


2006年は、環境コミュニケーション規格であるISO14063とGRIのG3が発行されました。2007年に発行されるCSR報告書では、その成果を盛り込むことが社会的に求められています。しかし、新たなガイドラインではステークホルダーエンゲージメント、ステークホルダー・インクルーシブネス、マテリアリティといった新たな概念が頻出し、その正確な理解と応用には多くの方が頭を悩ませています。

そうした状況の中、グレイスでは2007年の報告書はどうあるべきかをテーマに「CSR報告書作成ポイント講座」を開催しました。講座は3部構成で、第一部がグレイスの柏原による「GRI G3の解説」、第二部がNPO法人循環型社会研究会代表山口民雄氏による「2006年版CSR報告書の動向とG3の求める07版作成の留意点」、第三部が株式会社サステナビリティ会計事務所代表取締役福島隆史氏を総合ファシリテイターに迎えた「テストモデル版のCSR報告書」を子細に検討しながらのワークショップです。



【第一部】ガイドラインG3について

 
株式会社グレイスCSRソリューション事業部 柏原岳人

  柏原岳人
「CSR報告書作成ポイント講座」は、グレイスの柏原岳人による、GRIの新たなガイドラインG3のポイントになる部分の解説で始まりました。
解説は、G3の重要な4要素、マテリアリティ、ステークホルダー・インクルーシブネス、サスティナビリティ・コンテクスト、コンプリートネスの4つの概念を中心に行われました。

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【第二部】2006年版CSR報告書の動向とG3の求める07版作成の留意点

 
NPO法人循環型社会研究会代表 山口民雄氏

  NPO法人循環型社会研究会代表 山口民雄氏
報告書は毎年大きく変化しています。社会の要請に応え、効果が見える報告書を作成するためには、こうした変化を正しく捉え、自社の報告書に反映することが重要です。

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【第三部】「テストモデル版のCSR報告書」によるワークショップ

 
総合ファシリテイター 株式会社サステナビリティ会計事務所代表取締役 福島隆史氏

  株式会社サステナビリティ会計事務所代表取締役 福島隆史氏
今回のワークショップでは、G3の趣旨を生かした報告書はどうあるべきかを考えるために、「テストモデル版のCSR報告書」をグループで検討していきました。その中で随所に埋め込まれた「課題」を見つけながら、最適な報告書作りの道を模索していくユニークなワークショップです。情報を開示していく中で、おちいりがちなミス、誤解を与えかねない表現事例を吟味しながら、よりよい情報開示の手法を探り当てます。

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セミナー参加者の言葉


【第一部】ガイドラインG3について
― 株式会社グレイスCSRソリューション事業部 柏原岳人

  「CSR報告書作成ポイント講座」は、グレイスの柏原岳人による、GRIの新たなガイドラインG3のポイントになる部分の解説で始まりました。解説は、G3の重要な4要素、マテリアリティ、ステークホルダー・インクルーシブネス、サスティナビリティ・コンテクスト、コンプリートネスの4つの概念を中心に行われました。

G3の4つの概念

柏原  重要性(マテリアリティ)は、G3の中でも、最も大切な要素とされていますが、その解釈は、人によってまちまちといえます。これは、「経済、環境、社会に著しい影響をもたらすことが予測され、ステークホルダーの評価を左右し、意思決定に実質的な影響を及ぼす」重要な情報という意味です。組織にとってみれば、各種リスクマネジメント手法によるアセスメントを行い、優先順位が高いものということになります。

ステークホルダーにとっては、社会的に警鐘がならされている懸念事項、ISOや国内法令、条約など国際規格組織が属する地域で遵守すべきことが期待される合意事項、広範な社会的期待の中で優先順位が高いものなどとなっています。つまり、「組織にとって重要な情報であり、経済、環境、社会的に著しい影響を有する情報」ということになります。ここで、注意すべきなのは、重要性の概念は情報開示の手引きであって、CSR経営の手引きではないということです。重要性のある事項を中心に報告するのですが、施策も重要性のある部分だけでいいということにはならない、ということです。

ステークホルダーに評価され、意思決定に実質的な影響を及ぼすような情報は、ステークホルダーが欲する情報、ニーズを反映した情報でなくてはなりません。そのニーズを捉える確実な方法が各セクターを代表するステークホルダーに情報開示のプロセスに参画してもらい、そこで出た意見を報告情報に反映させる方法です。これがステークホルダー・インクルーシブネス(ステークホルダーの包括度合い)で述べられていることです。

ステークホルダーに情報開示のプロセスに参画してもらうことを特に、エンゲージメントと呼びます。ステークホルダーに開示できる限りの企業情報を開示し、情報開示のプロセスに参画してもらうことにより、正確に重要性を抽出すること。そのことにより、報告書の客観性、信頼性、情報の品質が向上するという考え方です。ステークホルダーに開示する情報は、企業自身のアセスメントで重要と判断されたものを漏れなく開示するという程度で現状は十分ではないでしょうか。この段階から情報公開に対する企業姿勢が問われることになります。この意味では、ステークホルダーダイアログ、ステークホルダーミーティングなどは、本来報告書を制作する過程の最初に行うことが重要であるといえるでしょう。

さらに、制作過程でステークホルダーのチェックを受けること、最後に第三者による保証を受けることも重要といえます。
G3が推奨している第三者による保証とは、日本のように特定の専門家集団に限定せず、一定の合理的な方法により観察された結果として意見を公表するものも含みます。日本で知られている第三者審査を経た「保証」よりも範囲が広く、観察者の責任が重くないものというイメージで捉えてください。G3でいう「保証」とは、パフォーマンスの品質、又は、レベルを評価や検証するためのものではありません。「第三者の観察を受けている」というレベルとお考え下さい。

次がサスティナビリティ・コンテクスト。これまでも企業には、経済、社会、環境への影響を考慮した企業経営をしているかどうかを開示することが要求されていましたが、G3ではさらに踏み込んで、企業が社会全体の持続可能性にどれだけ貢献できているか、企業にまつわる社会問題にどれだけ対処しているかというレベルまで開示の対象を広げています。さらに、社会の中で企業がきちんと役割を果たすための前提条件、企業そのものの持続可能性や、経営戦略までも報告するようにG3は求めています。そのためには、企業の「理念」「ビジョン」「戦略」「行動指針」を具体的に説明することが必要とされます。

最後が、コンプリートネス。完全性、網羅性と訳されます。一見するとマテリアリティ(重要性)と相矛盾するようですが、そうではありません。報告主体の恣意的な情報選択により、重要性のある項目を除外することのないように、というのがコンプリートネスの原則です。ここで、キーワードになるのがバウンダリーです。グローバル企業であるはずなのに、報告範囲を国内だけに絞る、あるいは開示する情報により報告する範囲を恣意的に違えるなどのケースは現在でも多く見受けられますが、それでは信頼性のある情報開示とは言えないはずです。現状では、報告情報を収集できる工場や事業所のみに報告範囲を限定して報告せざるを得ないとは思いますが、少なくとも企業の展開規模から考えて報告すべき範囲は完全にカバーしていくことを目指すべきでしょう。


【第二部】2006年版CSR報告書の動向とG3の求める07版作成の留意点
― NPO法人循環型社会研究会代表 山口民雄氏

  報告書は毎年大きく変化しています。社会の要請に応え、効果が見える報告書を作成するためには、こうした変化を正しく捉え、自社の報告書に反映することが重要です。

報告書と現実のギャップ

山口  毎年300近い報告書を精査していますが、その結果をまとめたものの一部をテキストとしてお配りしています。2006年は、ひとくちでいいますと、報告書と現実のギャップを感じた年でした。報告書を読んでいる限りの印象では、「日本の企業は相当な高みに登っているな」、「持続可能な社会に近づいている」、といった印象を受けるのですが、新聞を見ると「どうも違うな」という印象を受けます。そのギャップを感じた年です。それは、企業自身もわかっていて、経済同友会の調査でも、自社のCSRの仕組みに関して自信を持っている企業は半分以下なのです。品質、安全性の保証体制に関しては47%、事故・トラブル対応に関しては44%、公正取引、競争の徹底は39%、内部通報制度が十分機能していると回答している企業も41%しかありません。社外取締役など外部の視点をとり入れることなども、「十分な成果をあげている」と見ている企業は25%程度しかない、という状況です。驚くべきは、連合総研の調査ですが、女性管理職の登用促進をCSRと考える企業が27%しかいないというような結果も出ています。

報告書が実態を必ずしも反映していない。その理由のひとつがバランスを欠いた記述にあると思われます。プラス面とマイナス面のバランス。プラス面とマイナス面があると、人間どうしてもプラス面だけをいいたくなるわけですね。すると、すばらしいという印象だけを与えてしまいます。等身大の企業の実態を伝えられない、ここがいちばんの留意すべき点だと思います。


2006年の報告書の傾向

2006年の報告書の特色を個別に見ていきます。まず報告に関する基本的スタンスですが、CSRのさまざまな施策に関して、仕組みや制度、その結果だけを報告するのではなく、プロセスを見せていくプロセス報告を重視してきています。にもかかわらず、まだまだ仕組みの紹介に終わっている報告書も多い。これでは意味がありません。制度や仕組みがあっても、それが機能しているのかどうかがもっとも重要なポイントです。うまく機能している場合には、なぜそういう成果になったか? 達成していなくても、なぜ達成できなかったのかを明らかにすることが重要です。

次が、ステークホルダーエンゲージメントを志向しているという点です。なかなか理解しにくい概念なのですが、一つの問題解決に当たって、ステークホルダーを巻き込んで、一緒に問題解決を図るということです。先ほど、G3の解説で報告書の内容決定に参加してもらう、というお話しがありましたが、あらゆるCSRの課題について、その問題解決の場にステークホルダーに参加してもらう。つまり、PDCAサイクルの中にステークホルダーに入ってもらう。そういうことを志向し始めた年ではないかと思います。日本でこれからそれが根付くかどうかはここ数年にかかってくると思われます。

もうひとつは、2003年がCSR元年といわれていますが、やっと本業についてCSRの視点から検証するということが始まったのが2006年だと思います。当社は本当に社会的に存在価値があるのかどうかということを報告書の中でレポートをしていく。そういう企業が増えている、という印象を受けています。

この3つのポイントが2006年の報告書の特徴的な基本スタンスではないかと思います。

次が報告書の構成です。私は、報告書の構成は大別して3つの型があると考えています。ひとつが、GRI型。基本的にトリプルボトムライン型です。環境、経済、社会について報告するというスタイルです。次が、ステークホルダー型。従業員のために、株主のために、といったページ構成を取っているところですね。ステークホルダー別に分けて報告するスタイルです。もうひとつがアプローチ型と名付けていますが、従来はあまり見られませんでした。これは、CSRのビジョン、企業ビジョンをまず巻頭に掲げて、そこに行くためにはどういう柱を重点項目で取り組むかということを示し、それらの重点項目に沿って取り組み状況を報告するスタイルです。エーザイ、東レ、アンリツさんなどはその典型ではないかと思います。これは、非常にわかりやすい報告スタイルといえます。毎年、到達ポイントを見ていくと、どこまでビジョンに近づいているのかがわかってくる。私は、これが発展していくとわかりやすい報告になるのではいかと思っています。

それから、特集・ハイライトについて。2006年版の特集・ハイライトを見ていきますと、本業を検証するような特集が多かった。企業をCSRの観点で見直すという姿勢が、このハイライトの構成に表れた形になっています。そうした流れの中で、これまでハイライトのページが充実していたキヤノンがハイライトを廃止しました。一時期は20数ページものボリュームでハイライト展開していた時もあったのですが、突如2006年にハイライトを廃止し、本文中に入れることにしました。情報の重複を極力減らす、という動きなのですが、私自身は、まだまだハイライトの存在意義はあるのではないかな、と思っています。

(以下、環境、社会性に関してのそれぞれの項目に関する傾向と2007年度版への課題が提示されました。)


【第三部】「テストモデル版のCSR報告書」によるワークショップ
― 総合ファシリテイター 株式会社サステナビリティ会計事務所代表取締役 福島隆史氏

  今回のワークショップでは、G3の趣旨を生かした報告書はどうあるべきかを考えるために、「テストモデル版のCSR報告書」をグループで検討していきました。その中で随所に埋め込まれた「課題」を見つけながら、最適な報告書作りの道を模索していくユニークなワークショップです。情報を開示していく中で、おちいりがちなミス、誤解を与えかねない表現事例を吟味しながら、よりよい情報開示の手法を探り当てます。

熱のこもったワークショップ

当日は、参加者4名程度にグレイス側からのファシリテイターが参加。全体のファシリテイターを株式会社サステナビリティ会計事務所代表取締役福島隆史氏が務めました。

環境面から社会性、さらにはステークホルダーミーティングにいたるまでの報告事項の選択、内容、記述に関する間違い探しをきっかけとして、本当に読者に伝わる内容にするにはどうしたらいいのか? どういう記述をすれば信頼性は得られるのか? エンゲージメントとは何か? といった実際の課題、参加された各社が抱えている問題点などにおよび、和気藹々とした雰囲気のなかにも議論は白熱し、座学形式では得られない深い問題認識と気付きに満ちたワークショップとなりました。


セミナー参加者の言葉

  1.いちばん興味深かったのは?

    ・山口先生の具体的な事例に基づくご説明が分かり易かった。
・テストモデルによるワークショップ。
・2006年版報告書の動向。
・セミナー全体を通して知ったCSR報告書の現実とギャップ。
・ステークホルダーミーティングについて。
・報告書の間違い探し。全然だめな報告書と言いながら、自分の会社もそうだったりして勉強になった。
・山口先生のお話。ワークショップの社会編。
・午前中の講義、いずれも有益で興味深かったです。チームワーキングも、久し振りにゲーム感覚で楽しい勉強になりました。
・ステークホルダーミーティングについて。レポート作成について。
・ワークショップによるレポートをチェックする側としての視点を体験できたことが、興味深かった。

  2.今後、もっと詳しくお聞きになりたいテーマは?

    ・G3に対する各社の対応状況。
・自社の報告書を持ちよった同様のワークショップ。
・ステークホルダーミーティング。ステークホルダーエンゲージメント。
・重要度の設定方法。
・報告書読者(ステークホルダー)が企業の報告書を読んで企業の見方がどのように変化するのか、したのか?
・SRIファンドについて。
・報告書を発行する意義をいかに高めるか、企業価値が上るか、株価があがり、売上向上につながるCSRレポート作り。
・実際にGRI G3に基いたレポートが出されたら、その評価。
・CSRとは?
・山口氏による講義において、多様なステークホルダーの全てに対応するのではなく、あえて絞るための具体例?を聞きたい。
・ステークホルダーエンゲージメントについて意見を聞くだけにおわらないためのエンゲージメントシュミレーションなどがあるとおもしろいかもしれません。

  3.全体のご感想を

    ・非常にわかりやすい内容だったと思います。
・私は環境センターに異動になって未だ半年なので、いろいろとむずかしいことが多かったのですが、たいへん勉強になりました。
・ひとつ思ったこと・・・報告書を作る一担当者として頑張ってなんとかなる問題と、そうでない問題とがあると思いました。よってTOP、各項目の担当部門、各担当者、編集チームの人たち・・・みんなに聞いてもらって考えてもらいたいセミナーでした。
・業務では制作サイドですがワークショップを通して読み手の立場になり意見交換ができて有意義でした。またこの様な研修をお願いします。
・今日頂いた資料をもっとよく読んで、また、公開されている企業のCSR報告書を読んで更に理解を深めたいと思います。
・とても面白い試みのセミナーでした。CSR報告書のあるべき姿を気づく、実践的な内容でした。
・CSR関連のもので、今回のようにワークショップをつけたセミナーは初めてでした。興味深かったです。
・レポートを読み込む人が、どのような点をチェックしているのかがよく分かった。
・「勉強かと」・・・覚悟してまいりましたので、思いがけず楽しく意義のある貴重な時間が過ごせて感謝いたしております。
・わかりやすく、ためになりました。
・新しい視点を頂きました。
・「テストモデル版のCSR報告書」は、もう少し目的を明確に絞り込んだ内容に絞りあげたものでもいいかもしれません。環境はともかく、社会は(おっしゃっていたように)価値観が出るのでその部分は明確にした上で、その価値観が表現されているかという視点が必要だと思います。


 


お問合せは、担当  鷲津まで

  E-mail:seminar@grace-e.co.jp
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